日本中からファンが訪れる、釜石の新しいシンボル。
ミッフィーに囲まれた明るく楽しい職場です
2015年12月23日、釜石市の中心部・大町にオープンした情報交流センター1階にある、「ミッフィーカフェかまいし」。東北復興のためにと、ミッフィーの作者であるディック・ブルーナ氏や祖国のオランダ王国大使館の協力で誕生した、日本唯一の常設“ミッフィーカフェ”です。全国からファンが訪れ、釜石復興のシンボルとしてにぎわいを見せています。
「ミッフィーのカラフルな色を釜石に」
とオランダの協力で誕生
東日本大震災を知ったディック・ブルーナ氏は、哀悼の意を捧げるため、涙を流すモノクロのミッフィーを描いて贈りました。「もう一度ミッフィーがいつものカラフルな色を取り戻すように、東北の皆さんも色を取り戻して」という思いからといいます。そこで、東北大学と釜石市の街づくり計画を考える取り組みを進めていたオランダ王国大使館の協力のもと、その街づくりのシンボルとなる情報交流センターに「ミッフィーカフェ」をオープンさせることになったのです。
ゆったりとした店内に、客席は40人分。随所にミッフィーの絵本やぬいぐるみなどが置かれ、オレンジ、イエロー、ブルー、グリーンの“ミッフィーカラー”で明るく楽しい雰囲気が演出されています。グッズ類はもちろん購入することもできます。
オーナーの大和田宣之さんは、オランダ料理を調べ、ミッフィーの絵本も参考にメニューを考案。1番人気は「ミッフィーオランダプレート」(1,380円)。ミートボールやグリンピースのスープ、ゴーダチーズのグラタンなど手づくりのオランダ家庭料理が楽しめます。
客層の中心は30~50代の女性や家族連れで、休日には全国からファンが訪れるそう。「北海道や九州などから泊りがけで来ていただいています。この店を起点に、釜石のことも全国の方に知っていただけると嬉しいですね」と大和田さんは話します。
スタッフが働きやすい雰囲気の中
来店客とのコミュニケーションも楽しむ
「ミッフィーだけでなく、私たちスタッフとのコミュニケーションも楽しんでいただければ」と言うのは、リーダーとして店の運営を任されている佐藤貴大さん。接客が得意な佐藤さんは、例えば女性のグループにはSNSに投稿しやすいよう「ミッフィーのマグカップの底にはミッフィーの口に書かれているバッテンがついているので、底を見せるように写すと楽しいですよ」と話しかけたり、カップルには記念写真の撮影を申し出たりと、客層に応じてコミュニケーションを工夫しているのだとか。
「地方から、とても多くのミッフィーファンのお客様が来店されます。お客様は“想い出づくり”にわざわざ来られていると思いますので、そんな大切なひと時をできるだけ楽しく過ごしていただけるよう、気を配っています」と佐藤さんは話します。
そんな佐藤さんは、東京でバーテンダーを経験したという一面も。
「当店は、夜はお酒も楽しんでいただけます。独自に自慢のカクテルのメニューをつくって、お客様にお勧めしています」
佐藤さんがリーダーとして心がけているのは、スタッフが働きやすい雰囲気づくり。「できるだけ共通の話題を見つけて、仲良くなれるようにしています。とにかく楽しい雰囲気なので、楽しいことが好きな方なら向いていると思いますね」
メニューづくりなど、やりたいことができる
“楽しくて仕方ない”職場
厨房を任されているのは、柳葉美朱紀さん。お菓子づくりが好きで、調理師学校で学んだ後、東京のフルーツパーラーでパフェづくりなどを手掛けていました。帰郷にあたり仕事を探す中でたまたま「ミッフィーカフェかまいし」のオープンを知り、「やりたいことができる」と入社を決めました。
「オープンの3か月前から、パフェやスイーツのメニューづくりに関わらせてもらいました。オープン後も、季節ごとに新しいメニューを考えることができるので、楽しくて仕方ありません」と柳葉さんは笑顔を見せます。スイーツだけでなく、フードメニューの調理やホール業務も担います。
「混んでいない時など、お客様とパフェのこだわりポイントなどについておしゃべりしたり、接客も楽しんでいますね」
スタッフは仲がいいので「言いたいことは遠慮なく言い合えている」のだとか。ミッフィーについては、入社が決まってから本に親しみ「作者の思いが理解できるようになった」と話します。
「ミッフィーが好きな方はもちろん、どんな方でも楽しく働けると思いますよ」と柳葉さんは呼びかけます。
「盛り付けのお手伝いだけ」「休日だけ」
「夜だけ」という働き方も可能
スタッフの中には、客数が増える週末だけ皿洗いを担当するという50代の男性の方もいらっしゃるそうです。
「年齢層は幅広いですが、若い佐藤君や柳葉さんは年長の方には敬意を持って接してくれていますし、年長の方は『息子や娘のようだ』とコミュニケーションを楽しんでくれています。ですから、シニアや主婦の方も大歓迎です。休日だけ、夜だけ、盛り付けのお手伝いだけ、という働き方もしていただけます」と大和田さん。
近くに「大町1号復興公営住宅」が完成するなど、来店客が増えることが期待される中、「市民にも愛され日常的に利用される店づくりを目指します」と大和田さん。街の息吹も感じられる職場かもしれません。
求人情報
募集職種 |
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企業情報
店名 | ミッフィーカフェかまいし |
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住所 | 釜石市大町1-1-10 情報交流センター1階 |
電話番号 | 0193-55-6707 |
事業内容 | カフェの運営 |
従業員数 | 7名 |
ホームページ | http://en-trance.jp/miffy |
プロフィール
ミッフィーカフェかまいし
ヘッドシェフ
佐藤貴大さん
1992年、釜石市生まれ。18歳の頃から東京などの飲食店で接客を経験。帰郷後大和田氏と知り合い、「ミッフィーカフェかまいし」のオープンにあたり正式に採用された。「釜石には、1回一緒にお酒を飲むと友だちになれるいい人が多い」と話す。
ミッフィーカフェかまいし
柳葉美朱紀さん
1991年、釜石市生まれ。「ミッフィーカフェかまいし」で働き始めてから、ミッフィーの生みの親・ディック・ブルーナ氏の人生を描いた本を読み、作者のミッフィーへの思いが理解できるようになった。「この店が、そんな思いを共有する全国のミッフィーファンの集まる拠点になれば」と話す。